位牌制作の流れ(京上品)

我々が製作する京位牌・京上品は代々受け継ぐ京型寸法を元に木地、漆塗り、金箔・金粉工程、蝋色、蒔絵、彩色に至るまで原点の技にこだわり、京職人の技巧を存分に発揮しております。ここでは、京上品が完成するまでの工程の流れを写真入りでご紹介致しております。

1木地工程

木地工程とは

名前の通り木地に彫刻などを施す作業工程の事を言います。一本の木材から製材、鉋による形の形成、そして御位牌の見せ所でもある彫刻に至るまで基礎ベースを作る工程です。

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木地完成

彫刻に冴えを出すのに、一番重要になるのが彫刻刀の切れ味。研ぎを習得するのが永遠の課題と言っても過言ではありません。写真のお位牌ように最上段の吹蓮華も 花びら一枚ずつ彫刻し、最後にもう一度各段を組み全体のバランスを確認し、完成。

続いて塗り工程へと進みます。

2塗り工程

塗り工程とは

ここでは漆を塗る作業の事を指します。ですが、漆を塗ると言っても単に木に直接、漆の液を塗るのではなく、塗るにあたっては様々な工程が必要になります。

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塗り工程終了

最終工程は上塗に入ります。漆はほこりなどが少しでも着いてしまうとそこに漆が集まってしまいます。なので上塗工程は近辺を綺麗に掃除し、それから塗り作業に入ります。また上塗漆は気温・湿度によって仕上がりが変わってしまうため、その日にあった漆の質を的確に掴み、漆の粘度を調整します。余り刷毛目が立たないよう、むっくりと塗り、その日に合った温度と湿度にした漆室にもう一度入れ、1日〜2日かけて乾燥させて、完成。
※写真は櫛型三重座位牌

続いてぬぐい粉工程へと進みます。

3金箔・ぬぐい粉工程

ぬぐい粉とは

京都独特の技法であり、通常は漆塗りの上に直接金粉を蒔くことが多いのですが、ぬぐい粉は金箔を押して乾かした後、その金箔の上にもう一度、箔押し漆を塗り金粉を蒔く工程の事を言います。

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三方粉仕上完成

金箔が十分に乾いたら今度はその上に金粉を蒔いていきます。この作業順序は金箔押し作業とほぼ同じで金箔の上に漆を丁寧塗り、それを長年の感を元に丁寧に拭き取っていきます。この時に拭きムラがあると金粉の載りもまばらになってしまいます。粉蒔きはこの作業が一番肝心であります。そして金粉を均等に蒔き完成。
※写真は極上・吹蓮華七重座位牌

続いて蝋色(ろいろ)工程へと進みます。

4蝋色(ろいろ)工程

蝋色工程とは

漆を塗った表面を更に研磨し、凹凸を無くしツヤを出す工程を言います。蝋色はまたの名を鏡面仕上げとも呼びます。

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蝋色仕上完成

生漆をが乾くと今度はその表面を油と研磨剤を使って、手のひらや指先で磨いていきます。布や綿で磨くよりも手のひらや指先の方が肌理が細かいので漆の表面が綺麗に仕上がります。以前はこの研磨剤も角粉という鹿の角を加工して造った研磨剤があったのですが、今は手に入らなくなってしまったため、代用品として京都の研磨砥石メーカーと漆精製メーカーが共同開発している蝋色磨粉という研磨剤を使用しております。
※写真は吹蓮華巻足三重座位牌

位牌制作の流れ(截金位牌)

截金(きりがね)工程

截金とは

金箔を極細の線に切り、その金箔で模様を施す装飾技法であります。代表的なものとして仏像の衣などに施される事が多い技法です。

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截金仕上完成

切った金箔を貼り付けるノリにはフノリという海草と膠(にかわ)液を混ぜ合わせたものを使います。そのノリを片方の筆先に付け模様の線を描いていき、もう片方の筆で金箔を後から追うような形で貼り付けていきます。このようにして繊細な模様をひとつひとつ丁寧に施していきます。
※写真は截金位牌『夕暮』

佛像・位牌・寺院佛具制作

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